冷や汗をかきながらもニヤリと嗤う。
僕はゾクリと改めて圓頓寺という男の恐ろしさを感じた。
だが唯々野さんは引かない。
「貴方は女子水泳部の部室に侵入して、自らの欲望を吐き出すために、おてぃんてぃん! を丸出しにしてアヘ顔になり、しこしこ! して慰め盛大に精子を床へとぶち撒けたということで、間違いありませんね?」
「うぐ…! はぁはぁ…。…途中の表現はともかく、ぼくの精子だということで事件処理をすればいい。この程度のこと、警察沙汰にするまでもないさ。はぁはぁ…」
圓頓寺の様子がおかしい…。縄が食い込んで痛いのだろうか。
彼の股間がわずかに膨らんでいるように見えた。ますます恐ろしい。
厳しかった表情が和らぎ、唯々野さんはようやく心からの笑みを見せる。
「それで手を打ちましょう」
「ああ、大ごとにするようなことじゃあないさ。はぁはぁ…」
認めるということにして最後まで真実はあやふやにする気なのだろう。それでも女子水泳部の部室に精子ぶち撒け事案は表向き的に解決ということになる。こそれが落とし所というわけか。
「言質は取りました。二人ともご苦労さま」
振り向いて笑顔を見せる唯々野さん。彼女の下で働くことに誇りを持てる瞬間だった。
「ではゴースト退治に向かいましょう」
「へ?」
ほっとしたのも束の間、僕らは事件の真相にさらに踏み込もうとしていた。
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