「ふふふ。事実だからな」
この人はどうしてこんなに自信満々なのだろうか。まるで他人事のようだ。
発言は乱暴なのに、その姿は美しい。清楚な容姿に清純な声質、伸びた背筋、細く靭やかな指、あどけない無垢な表情。どれをとっても完璧で僕の理想の異性を体現していた。
「んで、お前に何ができんだ?」
それなのに美しい彼女と相反する悪童の言葉が降り注がれる。その風格のある強い態度に僕の思考回路もおかしくなってきた。
「この恰好で外を歩き回るとか…?」
「ノーパンで外を歩き回るのは、普通のことだ」
これでは弱すぎる。先輩にとっては日常のことだ。
「あはは、例えば裸踊りとか…?」
「まあまあいい線行ってるが、それも普通の変態だろ。私も同じことができる」
ありきたりの発想では駄目だ。そんなことは解っていた。
僕は回らない頭で答えを絞り出さなくてはいけない。彼女の変態度合いに見合うオリジナルの変態要素をどうにかして絞り出すのだ。がんばれ僕!
「外でストリップショー的な? ことをしましょうか?」
これではまだ唯々野さんに追いつけない。何より見つかったら警察沙汰になる危険性が…。
「ん、まぁ… それでもいいか」
「やっぱり… ハァハァ… あ、あの、ここで… オナ… オナ… オナ… ニーを披露したら許してくれますか…? ですわ?」
「… ん…」
口を衝いて出た言葉は本音だったのだろうか。今となっては判りかねるが、でもこれなら確かに極上の変態だろう。
僕の誠心誠意すべてを出し切った答えだ。
「…んん。さあな?」
僅かに視線を逸らす。唯々野さんは動じない。ように見えただけかも知れないが。
でも僕に確信はあった。唯々野さんの意表を突けたはず。これで彼女と肩を並べられる。僕は唯々野さんと同等の変態になれる。
「い、いきます。やります」
「ぉう…」
そうして僕はスカートを再びたくし上げて、いささかの躊躇もなく男性器を見せ、便器に座っていた。大人しく縮こまった陰茎に唯々野さんはごくりと息を呑んだようだった。
「お前… 小せぇな」
「ハァハァ… あふ… あぁ見ないで… ください」
言いながらもスカートは下ろさない。
下半身を丸裸にして粗末なものを唯々野さんに差し出す。見窄らしい。それは縮こまっていて雄々しさのかけらもなかった。
「仮性包茎って言うんだろ、それ? すげ小せぇし」
「ぅぅはい」
女子の先輩から自らの男性器の評価を下される。
ひくひくと陰茎が反応し始めていた。
「ボク… あのワタシは… 貴女にも勝る変態ですから」
いつからそんな勝負になったんだか不明だが、僕は自嘲気味に笑って自分の陰茎を摘んでいた。足を開いて一部始終が観戦できるように心がける。
「なんだ…、マジで、やん… のか?」
しこー…
しこしこっ
むくり
「ハァハァ」
しこしこしこ
ムクムク…
おぞましいオナニーが繰り広げられた。
「……。ま、まぁ… ソレくらいなら男子の日常ってか…。変態ってほどじゃ…」
唯々野さんはごくりと生唾を呑んだようだった。
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