「あぁ、もう駄目だよ……」
「うふふ、あはは。もう駄目なんだぁ? 先っちょがぐちょぐちょだもんねぇ。でもまだ我慢できるでしょ?」
一言主さんはぱっと手を離して肉棒への圧迫を緩めた。
「ふぇ…?」
「うふふっ。あっはっはっ。なぁに? その顔っ。お預けを喰らったワンちゃんみたぁい。寸止めされて悲しそうな顔しちゃって。うふふ」
もうすぐ射精できそうだったのに気持ちよさは突如として奪い去られた。なんという肩透かしだろうか。思わず可憐な一言主さんの顔を見つめて最後まで完遂させてくれることを求めてしまう。
「く……」
いや… 駄目だ。駄目じゃないか。本来の目的を忘れていた。僕はここに射精をしに来たんじゃない。それじゃ圓頓寺の二の舞だろ。
ちらりと唯々野さんのほうを見た。足を組んでスマホを弄る姿はまるで放置プレイのときの女王様の風格だ。いや僕は実際に体験したことはないが…。
「はぁはぁ…」
「びんびんだね♡」
一言主さんは正面に座って僕のおちんちんを間近で観察してくる。そして人差し指をで亀頭の頂点をつつつとなぞってきた。
「ひぐっ!?」
恥ずかしいほどに思わず声が漏れてしまう。
腰がガクガクと痙攣していた。こんな程度の責めで僕は絶頂に達してしまいそうになっていた。このままでは本当に無為に射精してしまう。なんとかしなくちゃ…。
「なんで… 一言主さんは… こんなことを… す、するんですか? よかったら話してくださ…」
「そろそろ限界なのかなあ?」
一言主さんはじぃっとおちんちんを愛おしそうに見つめていた。いつの間に前に回り込んだんだ? まるでワープでもしたみたいに…。
「雄々しくて可愛いおちんちん♡ 舐めちゃいたいわあ」
彼女は生温かい息を肉棒に吹きかけた。
「うっ」
びくんっ
背筋が伸びてガクガクと足が震えだす。
一言主さんは指先で僕の裏筋をつつつと撫でるのだ。
「ひっ」
背中をぐいんっと仰け反らせてしまう。ほんのちょっとの責めでも僕という城が一気に崩壊してしまいそうだ。
一言主さんは僕が逃げないようにお尻を支えていた。そして自分のほうに手繰り寄せる。僕の腰が彼女の顔に近づいていった。
「ぁ… ぁぁ…」
肉棒に直接息がかかる。まるで生きている人間の息遣いだ。一言主さんは大口を開けておちんちんを飲み込もうとしていた。
このままでは僕自身が飲まれてしまう。
決死の思いで両手を使い、一言主さんの肩をドンと押し込んだ。
「これ以上は駄目だっ」
「あん」
これ以上、責め込まれたらここに来た意味がない。僕は彼女を床に押し倒して覆いかぶさる。
「先輩はいったい何が目的なんですか!? こんなことを繰り返していても何にもならないですよっ」
「…はぁ、なんですって?」
とろんとした目つきに怒りが灯る。
「あまりにも人の道から外れています!」
「私のぉ、どこが、いけないというのぉ?」
ドロリ… と一言主さんの顔が溶けた気がする。
「貴女は10年前に死んだ筈なんです。ここに居てはいけないんです」
「うふふふふ。おかしなことを言うのね。私にはこんなに柔らかい肉体があるのに… ほら」
一言主さんの誘導で僕の両手が彼女の大きな胸に導かれる。それは豊満なおっぱいだ。
むんにゅううっ
「はぁうっ」
むにゅむにゅうとスク水越しの乳がスライムのように変形し、僕の指へと確かに柔らかさが伝わってくる。破壊力のあるおっぱいだ。
僕の抵抗は儚かった。もう既に彼女の術中だ。また飲まれかけている。どうすることもできない…。
ひたひたと破滅の足音まで聞こえてきた。
「なあ、僭越だけどよぉ」僕の背後から唯々野さんの声が響いた。「男子生徒を錯覚させているのではないんですかね?」
「…?」
足音は唯々野さんだったのか? バッとシャツを脱いだようだった。いったい僕の背後で何をしているんだ?
「い、…唯々野さん? ふぇっ?」
ストンとスカートが落ちる音。振り向くのが怖かった。それは幽霊の存在なんかよりもずっと怖い。
「はっ。曜子ちゃんはこんなもんじゃねぇんだろ?」
唯々野さんは僕の乳首を摘んだ。
「ひぃっ!?」
コリッと抓られて僕はまた新しい種類の電流を流し込まれた気分だ。また違う種類の快感…。
「はぁうっ」
僕は柔らかな一言主さんのおっぱいから手を引いて、また身体を仰け反らせた。
「なあ曜子ちゃんよ? まだまだ開発はこれからだもんな?」
「え… ち、ちが、はゎっ」
左と右の乳首を交互にコリコリと抓ってくる。唯々野さんは今、下着姿なのだろうか。眼下に広がる彼女の腕は白い素肌なのだ。シャツとスカートを脱いで、とても刺激的な恰好をしているのではないか? 想像が僕を一瞬にして支配していた。
「ハッハッハッ。先輩さぁ。僭越だけど、あんたは自分に負けたんだ」
「な… んですって…」
「そうだろ? エースだったが後輩に抜かれてエースの座を奪われ、しかも当時の恋人まで奪われたんだ」
「はぁ? もうどうでもいいわよ。そんなこと」
「気にしている証拠だろ。水泳部のロッカールームで男子生徒を呼び込んで生気を吸い取ってばっかりいやがる」
「む…」
「コイツはお前の玩具じゃないんだよ!」
唯々野さんは僕の乳首を引き千切りそうな勢いで抓った。
「あたしんだ!」
「はうぅぅぅぅっっ!」
びくんっと肉棒が跳ね上がり、射精してしまいそうだった。直接刺激されていたら危なかったと思う。
僕はどんな顔をしていたのだろう。悔しそうな一言主さんの顔が目の前でドロドロと溶け始め、彼女の豊満な肉体も向こう側が透けて見える。
「ひひひひ… ふふふふ… 置物みたいに座ってたから手は出してこないと思ったのに、恨んでやる…… 泥棒猫は徹底的に恨んでやる…」
一言主さんは急速に肉体を失いこの場から消えていく。
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